| 投稿元記事: 長くなってすみません 投稿者:Z.K 2007年01月13日(土) 19時42分39秒 丈庵さんは、近世の日本思想史が専攻ということですが、古代の思想についてはどうお考えでしょうか?僕は、律令制の中心思想は儒教だと考えていますが、故・石母田正氏は次のように述べています。 儒家も、その国家論のなかにとりいれざるを得なかったこの法家的な 「富国強兵」策が、班田制・郷里制をふくむ日本の律令制国家の政策に 内在する基本思想であったとかんがえる。律令という法典自体が、儒家 の原理からは生まれず、法家の国家論を土台にしていること、奈良時代 の詔勅に管子の思想の影響がみられることも想起すべきであろう(律令 制国家の政策の基礎にある論理や思想を、単純に儒家思想とみなしてき た従来の見解は再検討すべきである)。出典 石母田正『日本の古代国 家』岩波書店 1971年 P325引用 しかし、賑給や80歳以上の高齢者・重度の障害者に世話人(侍丁)を付ける制度ー養老律令 戸令11・国司に善政を求める養老律令 戸令33などを考えれば、やはり律令制は儒学の強い影響を受けていたのだと思います。 また、石母田氏は次のようにも述べています。 東洋的専制国家の「再生産にたいする配慮」の特徴は、人工灌漑という 農耕の前提条件についての関与・規制のみならず、すすんだ形態におい ては、そこにおける直接生産者の労働力の再生産、したがって課丁のみ ならず、課丁自体の再生産を保障する最小限の単位としての「戸」の再 生産にたいする配慮・関与・規制にまでおよぶところにある。出典 石 母田正『日本の古代国家』岩波書店 1971年 P326引用 僕は、石母田氏の主張する「東洋的専制国家による再生産のための配慮」と儒教思想による民衆への配慮は矛盾するものではなく、「東洋的専制国家による再生産のための配慮」は儒教思想に支えられていたのではないかと思います。 |