| 投稿元記事: 無題 投稿者:Z.K 2007年02月10日(土) 18時05分08秒 「貧窮問答歌」に関する僕の考えは、ほぼその通りです。(丈庵さんの1月29日の返信)あと1点追加すれば、律令制が末端まで浸透・徹底化されなかったことが民衆の生活にも悪影響を与えたのではないかということです。当然、文学作品で内容が必ずしも真実とは言えない「貧窮問答歌」からだけでこのことを述べるには、無理があると思います。(それでも、貧困に苦しむ農民がたくさんいなければ、このような歌は作られなかっただろうとは思います。)しかし、『続日本紀』には、律令制が中央政府の思惑通りに運用されなかったことを示唆する記事がかなりあるように思えます。例えば、土断法を述べた勅として有名な715年5月の勅では、土断法について述べた後、国司・郡司に善政を求め、飢餓・寒冷による死者を10人以上だした国司・郡司は、解任すること、地方を調査する巡察使を派遣することなどを述べています。(715年5月の勅は、農民だけでなく地方行政にも国家統制を強化するものだと思います。)この史料は、律令体制下の民衆の困窮には、中央政府だけでなく、地方政府にも原因があったことを示しているように思います。 |