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浮浪・逃亡について@ 投稿者:Z.K
 2008年01月23日(水) 17時26分20秒 / ID : ZqYMyxyk
  古代民衆の浮浪・逃亡は、大学時代から注目してきたことで僕の古代史に関する調査・研究の出発点でもあります。特に長山泰孝氏の「生活の防衛と抵抗」の次の箇所は今でも強く印象に残っています。「その意味で農民の反税運動こそは律令支配体制の矛盾を集中的にあらわすものであった。(中略)農民がみせた反税の動きのなかでもっとも広汎に行なわれたのは逃亡であった。」(注1)長山泰孝「生活の防衛と抵抗」(編集委員代表)門脇禎二『日本生活文化史2 庶民生活と貴族生活』河出書房新社 1975年 P212引用 困窮した古代民衆が浮浪・逃亡を行ったことは、奈良時代の社会経済状況に関する文献によく出てきます。しかし、浮浪・逃亡の原因・背景を調査するには、「律令体制下における農民の浮浪・逃亡」として調べるだけでなく、もっと細かく分類しなければ有効な効果は得られないと思います。例えば、@律令国家の税制度 A律令国家の土地制度 B @・A以外の社会経済構造上の問題点 C律令制の運用上の問題 として調査するべきだと思います。注目点として、@では税制の変遷の中には、農民が浮浪・逃亡等により律令国家から減税などの譲歩を引き出した抵抗の成果とも言えるものがあると思います。−これが、農民の抵抗の最大の意義であったと思います。−そのため、税制の変遷は農民がどのように重税に苦しんだかを知る手がかりであると考えます。Aについては、浮浪・逃亡にはよく重税が指摘されると思いますが、それ以外にも班田収受制が制度通り実行されたのかや制度自体の問題点なども調査すべきだと思います。Bについての注目点は、すでに何度か投稿しました国家と豪族の二重搾取の問題や租などにより備蓄した食糧の活用についての疑問点があります。Cとして、蝦夷・隼人との戦争や平城京・平安京の造営などがあります。
  具体的なことは、次回以降に投稿したいと思いますが、今回、租について僕が注目している点を書きたいと思います。岩波書店『律令』の税制に関する解説には次のような記述があります。「天平時代の正税帳によれば、毎年徴収される田租は、もっぱらその国で遠年貯備され、使用例としては恩勅による賑給などがわずかに見出されるにすぎない。」(注2)(校注者)井上光貞・関晃・土田直鎮・青木和夫『律令』岩波書店 1976年 P570引用
  まず、丈庵さんへの御質問なのですが、上記の『律令』の記事を読む限りにおいては、租は毎年徴収していたように思えるのですが、「骨太日本史−中学生向け通史・大和3/奈良」にある通り徴収は6年に一度だったのでしょうか?(日本史辞典や高校の時の参考書も確認しましたが、6年に一度という記述はみつかりませんでした。今回は誤字の指摘ではなく、完全な質問ですので公開の掲示板を使わせて頂きました。税制が変更された可能性や複数の説がある可能性もあると思います。) 次にこれを読んだ感想として、古代国家の社会政策の限界を表しているように思います。『続日本紀』には前に「慶雲の改革についてA」で投稿したように賑給に関する記述が多くあるのですが、賑給への使用がわずかというのでは有効性に疑問を抱きます。(ただし、義倉はあったのですが。)さらに、賑給以外にも調庸の運脚や兵役への手当てなど民衆のために使うべきところは沢山あったはずで不可解に思います。これについては、さらに調査を続けたいと思います。
   一方、古代人民の浮浪・逃亡という全体的な問題としては大学時代の経済史の本を読み返していた所ある疑問が生じたのですが、これについては次回以降に投稿したいと思います。
  


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