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宮田律の掲示板


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2004年6月8日の演習 投稿者:宮田律
 2004年06月09日(水) 13時32分41秒
   3年生の水越恵子さんと私(宮田律)が報告した。水越さんからは、アフガニスタンの民族構成、1992年4月の人民党政権崩壊からターリバーンによるバーミヤンの石仏破壊に至るアフガニスタンの現代史、またアフガニスタンの周辺諸国の思惑やアフガニスタンの不安定要因などについて説明があった。周辺諸国の思惑では、特にパキスタンはインドとの係争問題であるカシミール紛争(アフガニスタンの東に位置する)を抱えるため、西のアフガニスタンとの友好関係の維持は必要なことである。さらに、アフガニスタンの安定を妨げる要因として民族問題があり、ハミド・カルザイ大統領による新政権は、カルザイ大統領は民族的には多数派のパシュトゥン人であるものの、政権の中枢にはタジク人が多く配置され、それが今後パシュトゥン人たちの不満を生む可能性がある。また、水越さんは、アフガニスタン難民の経済的自立を支援することも安定した政治・社会を構築する上で必要であると述べた。
   宮田は、パレスチナ問題の現況を、ロードマップの停滞、分離壁の問題、零落するパレスチナ経済などの観点から説明した。パレスチナ問題については、2003年のイラク戦争を前にして「ロードマップ(和平への指針)」が示されたが、イスラエルの「暗殺作戦」、またパレスチナ人による「自爆攻撃」の応酬によって、和平への展望がなかなか開けない。アメリカ・ブッシュ政権には、パレスチナ問題に関与する姿勢が希薄だが、アメリカのコミットがほとんど見られないことも、パレスチナ問題の混迷を招く一つの要因になっている。イスラエルは、イスラエルとパレスチナを分かつ分離壁を建設しているが、1948年から49年にかけて成立した停戦ラインである「グリーンライン」よりも分離壁は、ヨルダン川西岸内部に入り組んで複雑に蛇行しながら建設されている。また、パレスチナでイスラム勢力などの自爆攻撃があるのは、パレスチナ自治政府がパレスチナ社会を統制できていないことも背景にある。パレスチナ人の5歳以下の子供の22%以下が栄養失調で苦しんでいるが、それは2000年から比較すると300%の増加になるという。それほどパレスチナ社会は疲弊するようになったが、和平へのブレイクスルーはほとんど見えない状態にある。


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